ホワイトの人

令和5年11月20日 晴れ

 

 仕事柄住宅ローンの相談をされることがよくある。地方銀行に勤めていたことがあるからだろうが、実は個人ローンはほぼ触ったことがないのでよくわかっていない。そのうえ、さっさと情シス部門に行ってしまったものだから、純粋に銀行業務をしたのは短いし結構時間も経っている。金融電卓を持っているので、計算してあげることはできるし、かつての同僚が働いているので、代わって質問してあげられるし紹介してあげることもできる。

 そりゃまあ、何も知らない人よりは詳しいだろうと思うし、なんとなくは分かる。

 

 

 今回の相談は、信金でローンを組もうと思ったら謝絶された人だった。話を聞いてみると、過去に借り入れをしたことはないという。それであれば焦げ付きもないだろう。

 携帯電話の機種代を滞納たこともないし、クレジットカードも持っていないので、滞納はない。個人信用情報に何の傷もなさそうだ。

 

 いや、待てよ?クレジットカードも持っていないなんてことがあるのだろうか。この令和の世の中で、ネットショッピングもしたことがないなんて信じられないが、そういう主義だというので、仕方ない。

 

 

 よくわからんので、かつての古巣に行って聞いてみたが、どうやら私が抱いた違和感は正しかったようだ。

 銀行(というより保証会社)の見方としては、「20代前半で就職して間もないころでない限り、借り入れが全くないというのは不自然に感じる。さらにクレジットカードもないと言うとなおさら怪しい。もしかして、自己破産でもしていて、クレジットカードも作れないのではないだろうか。」となるらしい。

 借入が全くない人をホワイト。クレジットカードすらない人をスーパーホワイトと言ったりするようだ。へえ~。

 

 おそらく、信金では返済比率的に「問題なさそうだ」と思って、稟議に何も書かずに保証会社に回したのだろう。その結果、サクッと不可回答が来たのだろう。という見解だ。

 

 では、どうすればよいか。仮審査の段階から”事情”を話して、保証会社に投げてみるしかない。”どうして借り入れを起こさなかったのか”また、”どうして金が必要なタイミングで借り入れを起こさなくて済んだのか”を正直に話して、あとは審査の人に任せるしかない。それでも100%行けるとは言えないが、何もしなければ、またサクッと不可回答が来る。

 聞いてみると、現金主義なのと、親からの相続でキャッシュリッチなのだという。

 

 その言葉を持って銀行に行ってみてくれとアドバイスした。

 どうなるのだろう。こういうのって、頼るだけ頼って、結果は教えてくれないんよなあ・・・